発馬機

発馬機（はつばき）とは、全頭を一斉に発馬（スタート）させるための設備。

現在ではほとんどの競走でゲート式のものが使われている。

スターティングゲートまたは略して「ゲート」が発馬機の同義語として使われることも多い。

変遷

日本では当初、旗を振ることでスタートの合図としていたが、１９２６年からは濠州式バリヤーが用いられるようになった。

濠州式バリヤーは、綱をコースの内外に渡し、バネで斜め前上方に跳ね上げるタイプのものである。

しかし、このタイプでは馬が静止しないため、突進・回転をして出遅れの問題があった。

そこで、１９６０年から中央競馬会はウッド式の導入を行った。

ウッド式は軽くて移動が簡単な、パイプを組み合わせたような前扉が開くタイプのものであったが、軽いので馬が暴れるとゲート全体が動くのと、第一歩を踏み出すとき、馬が脚元のパイプを踏むおそれがあり事故の危険があった。

そこでウッド式の欠点を改良し、電動式で前扉が開くＪＳＧ４８型と呼ばれる発馬機を１９７５年から使用。

その後、１９８５年、１９９０年、１９９５年、２０００年と改良を重ねている。

そこで２００７年６月から現在に至るまで操作性、安全性を高めた最新型のＪＳＳ３０型を使用している。

ＪＳＳ３０型には、全馬の枠入りが完了した時に、後方にいる発走委員が台上の発走委員に合図する際に使用する枠入り確認ランプが設置されている。