2015/3/28（土）、砂漠の競馬場を舞台にした国際競馬、ドバイワールドカップカーニバルがいよいよ開催されます。メイン競争である「ドバイＷＣ（ワールドカップ）」は、アラブ首長国連邦（ＵＡＥ）のドバイにあるメイダン競馬場のダート2000mで開催されます。今回で20回目の節目を迎えますが、かつては僻地の競馬に過ぎなかったこの国際競馬も、年々その知名度は上がっていきドバイＷＣを制すために各国から精鋭達が送られてくるようになりました。

日本からも毎年のように精鋭が送り込まれています。2011年の開催ではヴィクトワールピサがドバイＷＣ（ダート2000m）を優勝し、昨年はジャスタウェイがドバイデューティフリー（芝1800m）を優勝、そしてジェンティルドンナがドバイシーマクラシック（芝2400m）を優勝と、日本の馬の活躍も目立ちます。
今年も日本からは計７頭の馬が３つのレースに参加します。その中でも一番注目されるドバイＷＣの出走馬を以下に挙げましたのでまずはご覧ください。

ドバイワールドカップの出走馬

※レーティングに関しては「ワールドサラブレッドランキング」を参照ください。

ドバイＷＣに出走する日本馬は２頭。昨年のジャパンカップの優勝馬エピファネイア（C.スミヨン騎手）と、昨年のＪＲＡ賞最優秀ダート馬のホッコータルマエ（幸英明騎手）です。

今年のドバイは予想が非常に難しいです。というのも、今年から合成素材で出来たＡＷコースから土ダートに戻されますので、適性に関しては走らせてみないと分からないところが多いのです。

ＡＷのコースはちょっと特殊で、通称「タペタ」という素材を使用したコースで、タペタは砂にワックスと廃棄された合成ゴム由来の繊維を混合させた合成素材で出来ています（写真上）。このコースが特殊な理由は、芝で強い馬、ダートが強い馬、その両方が強い馬、そのどれもがＡＷでは惨敗するという結果が絶えないからです。芝やダートの適性の問題ではなく、ＡＷの馬場自体に適している馬が強いという見解もあり、いまだに攻略しきれていない部分があります。
2009年まで使用されていたナドアルシバ競馬場では土をほぐしたようなダートが使用されていましたが、2010年にメイダン競馬場で出来てからはこのＡＷが使用されるようになりました。土ダートが北米で使用されているものに似ていたためナドアルシバ競馬場の時は米国勢の馬が強かったのですが、競馬場が変わって2010年以降は勝ちは激減しました。

なので今回土のダートに戻ることは米国勢にとっては追い風となるかもしれませんね。逆に、日本にとっては向かい風になるかもしれません。米国勢が得意とするダートは土をほぐしたような馬場ですが、日本のダートは「土」というよりはむしろ「砂」です。
砂を使っているコースは日本だけで、まさにガラパゴス馬場。土ダートに合うかどうかという部分に関してはデータも足りないですし、知識も足りないでしょう。
土ダートや砂のダートと説明をしてきましたが、とにかく今回変更されるダートがアメリカンスタイルのダートだとすると現地と似た馬場で走ることができる米国勢の馬にとっては嬉しいニュースです。この馬場の変更によってメリットを活かしたい米国勢の馬、そしてガラパゴスの馬場を走ってきた日本の馬にどのような影響を与えるかというところに注目したいと思います。

今週末はドバイＷＣ、中京では高松宮記念（ＧⅠ）と競馬尽くしな週末となりそうですね。
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